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ブレアの選択:国内植民を受け入れるか、抑圧されるか
Blair's choice: accept internal settlement or face repression

ボーデンスタウン演説 ウルフ・トーンの墓にて
Bodenstown oration at Wolfe Tone's grave
わたしたちは自由を要求する――今、リンクを破ろう

 


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 1997年6月15日日曜日、キルデア州ボーデンスタウンで開かれた共和主義シン・フェイン党ウルフ・トーン記念祭で、フェルマナー州のマイケル・マクマヌス(Michael McManus)が演説を行なった。この日、共和主義者の大群衆と楽団は、アイルランド共和主義を確立して1798年に亡くなったトーンの墓まで、サリンス(Sallins)村から行進した。基調講演で、マクマヌスはこう語った。

 

 

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「皆さんの中で一番若い人が生きている間にさえ、統一アイルランドは出現しないだろう」――本当に強い言葉だ。これは、トニー・ブレア(英首相)が語った言葉だ。それも、英国総選挙で勝利してわずか2週間後、ベルファストを訪れたときのものだ。

 トニー・ブレアは、アイルランド問題についての英国政策決定に時間を費やさなかった。そして、間違いなく、これが施政方針演説だ。英国政府は目標を定めたのであり、このガイドラインに沿って今後5年間の政策が決定される。

 わたしたちがこの発言の意味を分析するなら、英国政策と英国による占領は無制限に、少なくとも2085年前後まで続くのだと結論づけるしかない。

 アイルランドにおける英国政策は、いわゆる国内6州解決を打ち立てることである。その政策の進めるということは、北東6州のナショナリストたちを「母なるイングランド」の意志に従わせるということだ。英国王権を受け入れるなら、彼らがしきりに通告してきた「等価な尊重」を与えてくれることだろう。そして、よくなったとしても静かに英国に従属することになり、頭を手すりより低く下げなければならなくなる。

 ブレアの施政方針演説に暗示されているが、選択肢は、さらなる抑圧を是認することである。それは、英国軍、RUCジャック・ブーツ戦術、英国ロイヤリスト暗殺隊が通りをうろつき回ることだ。彼らは、わたしたちを「植民地のご主人様」の意思に従わせるために、現代警察国家のありとあらゆる装備を備えている。

 このことは現に、英国の戦争機械の射撃殺害戦術によって、多くのアイルランド市民が殺されたり不具にされたりしたことを意味していると結論づけることができる。ドラムクリー、ハリーヴィルがまたも繰り返されて「マンボウが横たわる」ということになる。

 わたしたちは、希望さえも捨てろと言われているのだ。

 今世紀はじめ、自由を手にしようとするアイルランド国民の苦しみと犠牲が、一見失敗に終わったときがあった。状況は希望がないように見えた。勇敢に戦って持ちこたえたフェニアンは次々と死んでいった。国家統合の悲願すら消えてしまったように見えた。ジョン・オライリー(John O'Leary)が1913年9月に亡くなった後、98年蜂起(1798)以降の英雄的ながら無益な努力の数々を記念して、詩人がこう書いている。

「灰色の羽を潮の流れに雁が広げるのはこんなことのためだったのか?――こんなことのために血が流されたのか?」

 かつての暫定派指導部の同志たちは、選挙で大勝利したため意気軒昂であるが、その最近の政策演説は、新英国政策を最終的に受け入れることをほのめかしている。立憲主義なるものへ軽薄にも突進して、彼らは以前の思想をすっかり改訂してしまった。最低ライン、つまり、軍と影響力をこの島から撤退させる――完全撤退――という英国の宣言を、25年間の闘争で特に要求してきたのだが、それもどこかに行ってしまった。その代わりに聞かされるのは「平和プロセスを前面に押し出す」「われわれの委任の尊重」とか「全政党協議」といった言葉だ。決して英国撤退ではない――それこそ、共和主義者が英国について語りたがる唯一の事柄だとわたしが常々考えてきたことだ。

 25年間の闘争と犠牲は、全政党協議に加わるためだったのか? アイルランド国民の死や負傷は、単にベルファスト市議会に非ユニオニスト市長を誕生させるためだけにあったのか? ハンスト者たちが苦しみながら命を捨てたのは、プロヴォ党員の選挙を有利にするためだったのか? わたしたちが英国軍/RUCとロイヤリスト暗殺隊の最悪の暴行に耐えてきたのは、二人の元共和主義者をウェストミンスター議会に送り込むためだったのか? こんなことのために血が流されたのか?

 わたしが新たに提起したい新たな問題がある。西ベルファストと中央アルスターの右派名誉議員のことだ。1997年5月22日の"Irish News"で報道されたが、最近の西ベルファストの誠実な共和主義者(ジェリー自身の構成員の一人)誘拐事件について、彼らはコメントしようとしているだろうか? ジェリー・アダムスは、英国の汚い仕事をしているプロヴォの活動を非難するだろうか? 英国内解決を実施するためのブロイ・ハリアー戦術に彼は賛成するのだろうか? 26州状況を拒絶する本物の共和主義者を圧迫し、英国が北東6州を占領し続けることを、あなたは支持しているのだろうか? ジェリー、過去25年のことを思え――過去200年ならもっといい――そして自問自答してほしい、「こんなことのために血が流されたのか?」

 ひじょうに多くのかつての革命家たちが修正主義を唱えているが、それでも統一軍事評議会(the Continuity Army Council)の指揮下のもとで闘争を準備し、遂行能力を持つ、共和国に誠実な義勇軍の力は残っている、と確信している。

 また、別の人たちがいる。1民族1国家の理想を称揚するために、今日、ここに集まって、トーンをはじめとする98年蜂起の人々を記念している。それは、かの人々の高貴な見解を拒絶したり、名誉を汚したりしない人たちである。威嚇されない人たちである。そして、わたしたちは何度でも宣言しよう。英国はこの国に何の権利も持っていないし、将来、この国で何の権利を持つこともないであろう、と。

 レンスター議会では、簡単に言ってしまえば甲議員が乙議員に取って代わっているだけで、本当は何も変わっていないし、私たちは息を殺したりしないだろう。新しい「自由国」政権は、かつての自由国と同じく、英国がわが国の一部を占領することを認める政策をとっている。

 もちろん、26州自由国はロンドンで考案されたものであり、英国の銃の助けを借りてつくられ、英国の死刑執行人の働きで運営されている。かつての自由国は、アイルランド人愛国者が努力して流した血を利用して、成りゆきの中で英国国家の傀儡となったものだ。協力者たちはたいてい王家のご主人様よりも無情になるものだが、この点で自由国も例外ではなかった。

 しかし、共和主義者が本当に病んでいると感じるのは、ウルフ・トーンをはじめとする98年に蜂起した人々に敬意を払うふりをして、この基地に毎年、レンスター議会党とまったく同じ代表者たちがぞろぞろと集まってくる光景である。

 1961年の「ウルフ・トーン年鑑」にも再掲されているが、パードリック・ピアースは「分離主義者の伝統」についての文章の中でこう述べている。「トーンが英国との関係を壊せと言ったのなら――わたしは、英国との関係を維持せよと言う。そして、わたしは彼よりもずっと正気の(そして確実にもっと安全な)福音を説いているのであって――明らかに、同じ福音を説いているのではない」

 言い換えれば、共和主義者・分離主義者の主義主張への支持ははっきりしており、言い逃れはまったくありえない。あなた方はトーンの哲学を完全に受け入れるか、拒絶するかである。それゆえ、いかなる自由国の政党――この墓地にあるすべての自由国政党――の存在は、1798年と1916年の人々の名前と主義主張を冒涜するだけのものであり、捨て去らなければならない。同様に、レンスター議会に入ることを準備している者たち、忠誠の誓いをしようとしている者たち、この主君国家の法的権力として分離主義者議会を維持しようとする者たちはすべて、自らに貼ったシン・フェインの名を捨て去るべきである。これはシン・フェインの名に対する深刻かつ誹謗的な誤用であり、レンスター議会に持ち込むべきではない。

 この機会を好機として、すべての政治犯、とくに共和主義に忠実であり続けた人々に、応援とわたしたちの団結を伝えたい。わたしたちの考えは、特に、自由国で唯一の女性政治犯ジョセフィン・ハイドン(Josephine Hayden)と共通している。ジョセフィンはリメリック刑務所におり、最近心臓病が深刻に悪化している。それは至急、入院治療が必要なものだ。その病状にもかかわらず、彼女はリメリック刑務所に戻され、病状の好転を望めない環境にある。わたしたちは今日、人道的見地から直ちに無条件の保釈を要求する。そして、そのために共和主義シン・フェイン党のPOW部は、基本的人権にしたがって彼女の保釈を要求するための圧力を刑務所当局に加える国家的運動に乗り出した。これについて、彼らはわたしたちの完全な支援を必要としており、その価値がある。

 不運な人々に降りかかった最悪の災害のまっただ中にアイルランド国民がいた150年前のことを思い出すことなくこの地を離れるなどということはわたしにはできない。黒き1847年、恐ろしい飢え、病気、死のイメージ。退去、棺桶船、仕事場は追い出されたアイルランド人でいっぱいだった。100万人以上が亡くなった。どれほどが移住したか、新世界に消えたか、大西洋を渡っていったか、それはわからない。わたしたちは全員、もちろん荒廃となった飢饉・災害については知っている。だが、わたしたちはトウモロコシと穀物を積んだ船が毎日アイルランドの港から英国に向けて出ていたことも知っている――穀物を作っていた人々は通りで、道ばたで、沼で、飢え死にしていたのだ。

 これはアイルランドに対してなされた数え切れない犯罪の中でも最悪の犯罪であった――そして修正論者や弁護者が「大飢饉」の歴史を改竄しようとしたところで、真実は現れ始めている。トニー・ブレアでさえも(『アイリッシュ・タイムス』1997年6月6日号)英国の罪を認め始めている。飢饉を「アイルランドの歴史における決定的瞬間」であり、悲劇の多くは英国にあることを否定できないと述べている。

 それなのに75年の間存続した自由国は飢饉の最もひどい状況についてアイルランド国民に警告することに失敗した。100万人が亡くなったことについて国家が建てた記念碑は一つもない。わたしたちは、罪なくして亡くなった人々を忘れてはならない。彼らの記憶を尊重する義務がある。そして、その苦しみは言葉だけでなく石にも刻みつけるべきだ。

 それゆえわたしたちはアイルランド国民に、飢饉の犠牲者にふさわしい記念碑をつくるよう呼びかける――それは来たる数十年、数世紀にわたって存続するだろう。それが彼らにふさわしい最小限のことである。

 自由国は完全に失敗した。彼らはみじめにも いわゆる「ブーム」のなかで少数者だけが未曾有の富を自慢することができ、人口の34%が貧困水準の下にあるような国家において、彼らはみじめにも経済的に深刻な状況に陥ったのだ。これが自由国の解釈では「子供たちを等しくいつくしむ」方法なのだろうか?

 彼らは、新しいヨーロッパ超国家という帝国主義が蔓延するのに抵抗することにも失敗してきた。政治的・軍事的・経済的なヨーロッパ国家連合に加わりたいというこの国の申し出は、アイルランド国民の損失にしかならないし、わたしたちはあらゆる手を尽くして耐えなければならないのである。

 彼らはみじめにも英国国家に立ち向かうことができず、アイルランド国民の自決権を認めさせることにも、あるいは北部のナショナリストの市民権や基本的自由を保障させることにすら失敗した。

 最後に、98年にトーンが人々に呼びかけた「英国との絆が断ちきられるまでくじけるな」という言葉を思い起こしてほしい。この200年間、アイルランドの人々が戦ってきたのは、この呼びかけであり、この理想のためなのだ。この200年間、アイルランド人は命と自由という高価な犠牲を払ってきた。戦い、耐えてきたのだ――そして裏切られてきた。抑圧されてきた――だが、常に世代から世代へと受け継がれてきた。剣、死刑執行人、暗殺者。暴君たちが共通して使ってきた道具をもってしても、自由への渇望は断ち切ることができなかったし、これからもできない。わたしたちは自由を求める――今。

 それは避けることができない。わたしたちは決意を固めている。わたしたちはつながりを断ち切るのだ。

 このためなのだ――血が流されたのはすべて。

 

 

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An Cathaoirleach(アン・カヒールレアハ=議長)キャスリーン・ノウルス(Cathleen Knowles)は、参加者すべてに、特に占領下6州からの一団に感謝を告げた。彼女はこう語った。

「共和主義シン・フェイン党がその目的を見失っていないことは、これまでよりもずっと重要なことです。わたしたちはともに立ち上がって堕落せず、清廉であり、誠実であり続け、わたしたちが大切にしている理由――数え切れないほどのアイルランド人共和主義者がそのために命を捨てたアイルランド共和国の理由――に忠実であり続けています。わたしたちの合法的な目的を達成しようという決意は弱めてはなりませんし、旗を下ろすこともないのです。

 今日ここにこんなにも多くの若い人たちが出席しているのを見て、励まされています。わたしたちの組織を再び活性化させるために、若いエネルギーと結びつかなければなりませんし、ますます多くの人がいわゆる「和平プロセス」を「王様の服」のように見なしはじめるにつれて、わたしたちは止められない勢力――変化のための触媒――になる、とわたしは確信しています」

このように彼女は締めくくった。

 

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ポルトルイーシェ(Portlaoise)囚人ボーデンスタウン・メッセージ

 26州のポルトルイーシェ刑務所の共和主義者囚人が以下の支援メッセージを送ってきたので、議長キャスリーン・ノウレスが読み上げた。

「わたしたちアイルランド共和軍(IRA)の戦いにおいてポルトルイーシェ刑務所に拘置されている捕虜は、共和主義シン・フェイン党に、そしてそして、アイルランド共和主義の父テオバルド・ウルフ・トーンの記念に集まっているすべての人々に、団結のメッセージと革命の挨拶を送る。」

「現在の状況は寂しくみえるかもしれない。英帝国権力に組み込まれた6州におけるブロイ・ハリアーズの新部隊と、真の共和主義者に対立する自由国の傀儡どももいる。しかし、継続的軍事委員会(Continuity Army Council)の指導のもとで、共和軍は海外・国内のすべてのアイルランドの敵と戦い続けることを決意している。勝利に向かって、an Phoblacht abu!」

 

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