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東京クーデター
Tokyo Coup d'etat

 
第三章 東京クーデター終結
 

政権樹立工作

 キャプテンは地上の情況から事態を賢明に洞察した。すべての準備はととのった。ただちに新政権樹立工作をはじめなければならない。

 全閣僚が一室に集められた。キャプテンは、その堂々たる体駆を彼らのまえに現わした。要望書を読み上げるキャプテンの朗々とした声が、室内に響きわたった。第一編を読み終わって、キャプテンは、以上の理由から現政権の解体を強く要求する。と宣告した。事件の真相が、ここにはじめて明らかにされた。

 つづいて、第二編の朗読が始まった。閣僚らは、この事件が革命を狙ったものではなく、政権転覆のためのクーデターであったことを知った。彼らの顔には、いちように安堵の表情が浮かんだ。

 キャプテンは、朗読を終わると、閣僚らを尻目に、悠揚と室外に消えた。

 地上に出たキャプテンは、精力的な活動を開始した。幹部と合議のうえ、政財界、学界、労働界など、意中の重要人物と個々の折衝を始め、新政権樹立のための工作が着々とすすんだ。

 工作は、あらかじめ準備された次の図式を正確にふまえて行われた。


 

組閣作業

一 新政権樹立工作の場所は、首相官邸内○○とする。

二 地上工作開始の時点で官房長官を同官邸内に移送、軟禁して工作に協力させるとともに、警備自衛隊の不慮の妨害排除にも役立たせる。

三 国会および首相官邸周辺の安全を確保するため、自衛隊を治安出動させる。このため首相および防衛庁長官の出動命令を録音し、このテープを官房長官に託し、内閣官房、警察庁に電話伝達させる。自衛隊の警備は、必要に応じて東京都内全区域および近県に広げ、連鎖反応的暴動・騒乱等の予防、制圧にあたらせる。

四 外国の万一の軍事介入に備え、陸・海・空全自衛隊を緊急警備につかせ、日本全土の防衛態勢を強化する。

五 自衛隊の出動は、官房長官とともにテレビ・ニュースなどで確認し、さらに、議事堂・首相官邸の安全を確認した時点で地上工作を開始する。

六 要望書は、事態の進展に合わせ、キャプテンの判断に基づいて新聞社、放送局に提供し、国民の理解と協力を得る。

 なお、首相の内閣解散声明の録音テープ、地下現場の首相との対談写真など、工作に必要なものの準備は、緊急、綿密に行う。

七 訪米中の外務大臣には某機関を通じて事件の真相を明かし、対外弁明に努力するよう依頼してあるが、その反響には十分な注視が必要である。

八 組閣は予定の人物を中心に行うが、参加承諾者全員から誓約書をとる。

九 組閣の見通しがつきしだい、前閣僚全員を各自宅に護送する。ただし、その引き渡し交渉は、キャプテンが官房長官、某重要人物と直接に行う。

十 今回の行動は、われわれ自身が政権を奪取するためにとったものではない。したがって、新内閣成立の発表をもって、本隊の任務を終了、解散するが、参加隊員は新たにA組織をつくり、新政権安定まで、その支援・監視の活動にあたる。

 

 

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