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自由と公正さの支援者に知識と能力を与える。
Copyright 1998 Lee Adams. All rights reserved. 引用、コピー、配布をおすすめする(情報源として明記してほしい)。リンクも歓迎。人物、会社、協会、組織、仕事、製品、サービスの名前は、特記されていない限り、仮名である。実在の人物・実在物に似ていたとしてもそれは意図したものではない。

Bureaucrat's Toolkit

 あなたは何かを失おうとしている。それはすでにあなたの手からこぼれ落ちつつある。そして、一度失ったら、二度と取り戻せないだろう。
 一国民として、わたしたちは記録された歴史において最も深刻な人間性に対する脅威に直面している――世界中の各政府によって、伝統的な自由が体系的に取り除かれつつある。そして、それはすべての政府においてそうなのだ。
 それは、わたしたち人類そのものをほとんど一掃するところだった中世の伝染病よりもさらに深刻な状況だ。それは、人類数万年の歴史の中でかつて見られなかった脅威である。
 あなたは政府の所有物になりつつあるのだ。


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今日の政府は、
その国民からの
コントロールを
恒久的に無力化する
手段を持っている。

コントロールの問題……
さまざまな脅威の多くが、最近収斂してきている。極めて危険な状況が作られてきた。政府は、国民からのコントロールを恒久的に無力化させるための機会――と手段――を与えられてきた。官僚は、絶対的な権力という彼らの夢をまさに実現せんとしている。それは、ジョージ・オーウェルが想像したよりもはるかに悪い悪夢である。
 技術は政府に道具を与えている。あなたの国の政府が――もしそれが選択するならば――ゆりかごから墓場まで、あなたの人生のすべてをコントロールできるという人類の発展の段階に存在しているのだ。
 わたしたちは3つの別々な脅威に直面している。これらの脅威は組み合わさって、わたしたちの基本的人権に対する首かせ――わたしたちの伝統的な自由を殺す制御力――を政府に与えるのである。
 脅威#1――コンピューターが監視を遂行するようになった。監視は現在、自動化されている。全国民をリアルタイムで監視・モニターすることもできる。クレジット・カードによる最新の購入など、あなたの生活の半分はすでにデータベース上にある。コンピューターは、単語認識・音声認識ソフトを用いて、すべての電子的通信・電話通信を盗聴する。ビデオ・カメラはどこでも――外でも内でも――乗り物のナンバープレートと、人の顔すら認識できる。そして、この情報のすべて、このデータベースのすべては、相互参照されて互いに結びつけられる――コンピューターによって。合成語で、それは「データ監視(dataveillance)」と呼ばれる。それは、ある特定の一群を追跡することを容易にしている。少数者のように。あるいは反対者のように。あるいは草の根政治運動のように。あるいは、自分の頭で考えたいと思う人だれでも。
 脅威#2――軍事化が警察で遂行された。警察は、現在、いくつかの非常に凶悪な武器を使っている。彼らの使っている材料の半分は、ジュネーブ条約とハーグ宣言によって禁止されている[訳注:毒ガスなど]。政府はそれを戦争で使うことはできないが、自国民に使うことは公正なゲームなのだ。現代の警察技術は、群衆コントロールにまるで新しい方法を与えている――彼らは化学的刺激剤を含むネバネバした泡を使うのだ。それは尋問にもまるで新しい方法を与えている――彼らは痕跡の残らない新しい尋問道具を使う。そしてプラスチック弾、ペパー・ガス、スタンガンといった、新しく、さらに好都合で、さらに人道的な武器――それは不具にし、解体し、燃やし、切断し、殺しさえもする。
 脅威#3――大企業が増殖を遂行した。どの政府官僚でも、この材料を買うことができる。これらのハイテク小道具のほとんどは二面的な使い方ができる。それは交通整理のような穏健なことに使うこともできる――が、国民コントロールのような凶悪なことにも使える。民間会社がこの悪夢のような技術を製造・輸出して莫大な利益を得ている。研究開発は凶暴になった。カネが生まれるときに、だれが人権のような些細なことを気にするだろうか? 誰かが10万ドルの乗り物を注文しているだけだと言うなら、地獄だ――それは人を殺せる噴射装置、鉄で覆われた車体、そして「目撃者」と「乗員」のための空間を完備するようになるのだ。


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Spy & CounterSpy

目覚ましの音……
 これは、わたしたちが支配権を握りながら眠っている間にやってきたことである。彼らは選択を迫られてきた。技術とその使い方について。技術は既存の権力機構に役立たせるべきか、それとも民のために役立つべきか? 技術は政府を守るために使われるべきか、国民を守るために使われるべきか?
 さて、皆さん、官僚たちは我々ではなく自分たち自身を守ると決めた。人民のための政府は官僚の「旧思考」である。人民に対立する政府が官僚の「新思考」である。簡単にいえば、その「隠された統制」対「民主主義の責任」である。そして、隠された統制が勝利している。
 これらのことはすべて、あなたや私にどういう意味があろうか? 政治家にとって、社会的問題を解決するよりも実力を行使することが簡単なことになりつつある。それは、協力よりも強制を選ぶという誘惑を強めている。折衝や示談は時代遅れの概念だ。
 さらに悪いことに、新技術によって、彼らの使っている強制力の量をごまかすことが簡単になっている。
 彼らの立場に立ってみよう。なぜ、国民と相談するために骨を折るのか? なぜ、抗議者と協議しなければならない? なぜ、意見の相違点を聞くのに煩わされなければならない? そのかわりにあなたがやるべきことは、電話を取って、彼らの破壊を手配することだけだ。官僚からの数語と政治的統制装置は、歯車を回し始める――潜在的なトラブルメーカーに対するコンピューター化された全国的監視、デモや集会に対する武装警察SWATチーム、市民を統制するためにより困難な機構を政府が必要とした場合に備えて待機している親しげなsalesrep。
 国民にイエスといわせる方法。権威が失墜したとき、抑圧が始まる。結局、テロは公式な政府の政策になる。周りを見てみるがいい。近未来のシナリオ? SFホラー? ハリウッドの隣の大型高性能爆弾? ノー。現実だ。
 目を覚ませ。それはすでにここにある。止まって考えよう。ウェイコ。ヴィッキー・ウィーヴァー。無断家宅捜索令状。財産没収。国家身分証明書。キャッシュレス社会。合衆国全体で、多くの人々が、「権威による統治」が「抑圧を通しての支配」に変わってしまったと心配している。
 今日の政府は、個人に対して――そして全国民に対して――政治的統制を及ぼすためのツールキットによって武装している。ほとんどの人は、技術によって官僚が使えるようになった悪夢のようなシステムに気づいていない。それはちっぽけなものではない。しかも安いものではない。しかし、ほら、彼らが自分たちを――あなたから――守るために使っているカネは、あなたのものだ。
 本当の問題は何か? 問題の要は、国民を好きではない官僚である。彼らは、あなたや私がやるような方法で人々に関わったりしない。彼らは自分たち自身――と権力――だけを気にしている。誤術は、これらの社会的不合理に、全国民を完全に絶対的統制するだけの権力を与えようとしているのである。
 これらの技術を生み出している科学者たちは、彼らの化け物のような機器が使われる方法についての責めを負おうとはしない。これらの反社会的バカ学者たちは、究極のフランケンシュタインの怪物を作ってきた――全世界的な奴隷状態を現実のものとするような絶対的な力を。
 背景――あなたがこの記事を視野に入れることが必要なわけ。 この記事は、当局筋からの情報に基づく。最近、欧州議会は今日の世界の政治的統制についての研究に着手した。この文書は、その研究に基づいている。
 この研究は、欧州議会のメンバーのためのガイドとして、国民に対する政治的統制に有用な技術における最近の開発についての情報を与えることを意図したものであった。その結果としての文書は研究のための執行委員を通じて発表されたが、それは政治的な砲弾であった。
 このレポートは、作業中の文書の評価版として、ルクセンブルグで1998年1月6日に最初に姿を現わした。原文は293KBの大きさがある。これはウェブ上では、http://www.jya.com/stoa-atpc.htmにある。112ページの印刷版は、ヨーロッパ議会の担当部から入手できる。FAX番号は 352-4300-22418.


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この危機が
始まって
およそ
30年になる。

ゆがんだ科学……国民に対する政治的統制のための新技術
 危機が始まって30年になる。1972年、「科学における社会的責任のための英国協会(British Society for Social Responsibility in Science)」は、「抑圧の新技術」についての警告を発した。1977年、「政治的統制の技術」と呼ばれるレポートが迫る危機を描写した。
 英国はその同盟国からの援助を受けて、北アイルランド紛争を実験所として使っていた。当局は、多くの人々に対する抑圧と統制の新技術を試験した。彼らは、監視塔を完成した。その地下3階相当の倉庫には、家の壁越しに人々を監視するためにソナーと赤外線の技術を使ったコンピューターが詰まっていた。暴慢な英国兵は、ほくそ笑まずにはいられなかった――彼らはしょっちゅう、着ていた下着を描写してアイルランド人女性をあざけり、辱めた。今度、合意についてテレビで得々と語る尊大な英国首相を見たときには、このことを覚えておくように。IRAがそのような環境で軍事行動を行なえたという事実は、彼らの対監視能力・暴動能力を示すものである。
 合衆国は、同盟国の援助を受けて、ベトナム戦争の戦中・戦後に技術をさらに高めた。強烈な爆弾。監視衛星。心理学的プロファイル。枯葉剤。ステルス航空機。スタンガン。動作センサー。ナイトヴィジョン。体臭センサー。DNA指紋採取。殺人フェンシング。ヘリコプター・ベースの望遠監視。レーザー照準。群衆統制の乗り物上の防水帯電パネル。心理学に基づいた拷問技術。
 ここ25年間に、社会政治的統制技術に劇的な変化があった。特に合衆国、英国、ドイツ、フランスにおいて。そして、これらの新技術の研究・製造・開発・輸出にはまだ統制がとられていなかった。時代遅れの法律・規則は少しも追いつけなかった。この新技術の大半は二とおりの使用ができ、そのため偽りの主張によって購入することができる。天安門広場のビデオ監視カメラは、高度な交通整理システムとして合衆国企業から購入されたものだ。彼らは、中国の恐るべき治安機関「公安部」が、民主主義に賛成するデモをしていた活動家すべてを識別・逮捕できるようにしたのである。


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政治的統制技術は、
ハードウェア、
ソフトウェア、
ライブウェアでできている。

新型の武器……
 簡単にいえば、政治統制の技術は新型の兵器である。この技術は、国内の敵を無力化するために使われる。多くの場合、この敵とは国民を意味する。今日のほとんどの政府は、自国民こそがその存続に対する最大の脅威であるとみなしている。
 政治的統制技術は、3つの構成要素からなる。ハードウェア、ソフトウェア、ライヴウェアである。ハードウェアは装置である。それは、器具、道具、機械、機器、兵器、小道具などである。ソフトウェアは方法である。これは標準的操作手順、ルーチン、能力、技術、方法などである。ライヴウェアは実行である。これは人間的要素である――合理化された人間社会組織、取り決め、システム、ネットワークなど。
 この新技術は、濫用パターンの発展も生み出した。これは集会、プライバシー、デュープロセス(正当な法の手続き)の権利を脅かす。これは政治的・文化的表現の自由を含む。これは、任意逮捕・拷問・超法規的強制執行に対するわたしたちの保護を弱めるものである。
 この新技術をここまで恐ろしいものにしたのは、使っている人々だ。官僚。閉じたドアの背後で行動する顔なき人々。無責任。やりたい放題。容赦なき人々。
 いわゆる民主主義においても、ショーを実行するのは官僚である。官僚の利権としてよく記述される現象がその原因である。世界中で、他の方法ではなく、政府の上級官僚が選挙で選ばれた大臣を統制している。選挙で選ばれた政治家は来ては去るだろうが、官僚は残る――実質上の独裁者として。もし人喰い鬼のようなものがあるとすれば、それは官僚に違いない。
 警察産業複合体。 1990年代、警察と国内治安部隊のための新技術に対する研究・開発・装備・展開に巨額の費用が使われてきた。巨大な警察産業複合体が現われた。それは軍産複合体に似ている。多くの会社が、この新規市場に参入している。巨大な利益が得られるのである。
 官僚の観点からすれば、これらすべてはよいものである。それは、効率と費用効果を高めている。「結局、何か隠している連中だけが反対するんだ、そうじゃないか?」官僚の思考法にとって、いわゆる最小限の実力行使が常に正当である。既存の規則と統制は充分である。結局、技術は民主主義を支持する、と彼らは主張する。
 ところでみなさん、これは現に起こっていることについての丁寧な説明である。社会的紛争とその当事者はお互いに和解するか、管理されるか、抑制されるか、失われるか、あるいは効果的に除去される。冷酷な論理のこの無情な適用は、政治的統制の新技術によって――そして、金持ちと、自分たちに力を及ぼす権力者はもちろん別として国民をまさに好きではない官僚階級によって――可能となるのである。


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この技術はすべて
わたしたちに
政府の恐ろしい権力を
及ぼすものである。

禁じられたプライバシー……新しい監視能力
 冷戦のまっさなかの40年前には、生活はもっと単純であった。1963年、東ドイツ治安機関(有名なシュタージ)は、50万人の情報提供者を使って、国民を監視・威嚇していた。シュタージは、東ドイツ中で電話を盗聴するためだけに1万人のエージェント・スタッフを必要とした。
 それはそのときのことだ。ここに今を示そう。今日、全国民は自動的に監視できる。その仕掛けは、言語認識ソフトを起動するコンピューターを使うことである。すべての電話会話はぁゃιぃ単語を検索される――もしそのいくつかが発見されれば、あとから人間のエージェントが参照できるようにその会話が保存される。今日のコンピューターは、音声認識ソフトも備えている。治安機関は、たとえ公衆電話からであっても、誰からの電話かわかるのである。さらにわずらわしいのは、最新版の地図作製ソフトである。それは、映像表示を作り出す――誰が誰と話しているかの場所を示す都市地図を。それは警察による総括を一層簡単にする。(嗚呼、物事が変化すればするほど、そのままのものも多くなる。40年前、東ドイツ治安機関は、いわゆるratissage――ネズミ狩り――のあいだに反対者を刈り集めた。今日、FBIはそれを無断家宅操作侵入と呼んでいる)
 このコンピューター・ハードウェアとソフトウェアはすべて壮大なものに見えるかもしれないが、合衆国では国家安全保障局(NSA)が、人間型人工知能を使う自己学習ニューラル・ネットワーク・ソフトウェアを封印し続けている。
 この技術はすべて、わたしたちに、政府のおそろしい権力を及ぼさせるものである。
 トラブルを探す。今日の監視装置は、恒常的に政府治安機関と警察によって使用されている。彼らは釣りに出かけ、まだ存在していないトラブルを発見しようとする――あるいは、何もないところにトラブルを作ろうとする。
 治安機関は監視を使って、反対者、ジャーナリスト、人権活動家、学生リーダー、政治的反対者、組合幹部を追跡する。これはもちろん違法である。
 警察は先買的取締のために監視を使う。彼らは国民のある階級を追跡する。この監視・識別・ネットワーク化は、令状ならびに正式な捜査の必要なしに国民の多数を大量に定期的に監視することになっている。もちろん、これも違法である。
 巨大な量の下級の諜報が作られた。それは政府によって使われ、ある特定の社会集団やいわゆる赤線地帯に住んでいる一定の民族が、何らかの犯罪に関わらなくても監視されているのである。で、政府の視点で、あなたは自動的に有罪の推定を受け、監視に相当するとされる。
 データ監視(データヴェイランス)の呪い。コンピューターが、無関係なデータベースを結びつけるために治安機関や警察によって使われるとき、これはデータ監視(データヴェイランス)と呼ばれる。合衆国では、700のデータベースが同時に監視されている。監視チームは簡単にあなたの運転免許、配偶者関係、最新のクレジットカード購入、家の抵当権、健康記録、職歴、納税申告、政治献金、その他の個人情報の寄せ集めに出入りできる。
 この情報を、有線テレビカメラ(CCTV)ネットワークと結びつければ、あなたは国民統制のための壮大な装置を手に入れることになる。いわゆる交通整理カメラは、自動車のナンバープレートを認識できる――そしてあなたの町中での移動を追跡できる。ショッピングセンター、小売店、ファーストフード店舗、駐車場、その他の公共の場所のカメラは、あなたの徒歩移動を追跡できる。
 この監視装置ネットワークがコンピューターネットワークで結びつけられるとき、それは先取り取締に帰着する、。システムはある特定の国民の一群を、特定の犯罪行為の類型よりも狙っている。監視装置のほとんどは自動である。それは人工知能で作動する。
 それは恐ろしいものになり始めている。ここに理由がある。監視と抑制のこの巨大な装置は、もし政治的環境が変わったときには容易に焦点を合わせ直し、標的を変えることができる。世界のいわゆる民主主義国家でも、それに必要なすべては、国家緊急事態と特別な手段をとることを宣言する国家元首の一言である(これはつまり、独裁兼を設定するということを丁寧に言ったのである)。ちょっと止まって、一般国民に対してこのような監視・抑圧・統制を行なえる巨大な能力を備えた独裁者のもとで暮らすことを想像してみてほしい。ヒトラーとスターリンは、次に来る者に比べれば子供のようなものだ。
 ここで話しているのは、巨大な警察のデータベースと、広範な市民の自由への侵害である。これに似たシステムは、最初はたいてい、年金生活者、失業者、少数者のように政治的な力を持たない人々の団体に押しつけられる。彼らがプライバシーの侵害について不満を述べても、誰も聞かない。それから、抑圧が受け入れられ始めると、データヴェイランス・システムは、社会経済システム上に拡張される。
 濫用の可能性があまりにも大きいので、デンマーク議会はCCTVシステムを禁止してきた。しかし、それは世界で唯一の国である。ヨーロッパのいくつの議会は強く警告されたため、1995年ヨーロッパ個人保護条例の第15条を受け入れ、「自動データ処理にのみ基づいてある人に関する法的強制執行を引き起こす決定をなされない」権利をすべての人に認めた。自動ビデオカメラ速度検知器は、この法規をあざ笑うかのようだ(この新レーダー探知技術の主要製造メーカーが実際に私の住んでいる町にあるので困っている)。
 中心的問題。約20年前、お互いの個人情報はバラバラだった。それは多くの場所に、関係のない場所に別々に蓄えられていた。それを取得して照合することは極めて困難だった。それは安全な要素であった。しかし、今はそれがない。現在の世界では、ネットワーク化コンピューターが検索を容易にしている。相互参照と照合はごく簡単だ。簡単に言えば、選挙で選ばれたのでもなく、社会病理であり、システムを動かす統制フリークスのための官僚天国である。
 生物統計学システム。コンピューター制御によるバイオメトリック・システムが広がることは、個人のプライバシーがさらに失われることを間違いないものにしてしまう。わたしたちが想定しているのは、自動指紋読み取り装置や、遺伝子・体臭・署名・網膜毛細血管文様といった特徴を分析する人間識別認識システムなどである。たとえば、DNA指紋データベースは、英国警察ではおなじみのものだ。データはすでに、英国内の容疑者の大集団に対する未明の強制捜査を正当化するのに使われている。さらに厄介なのは、人相認識システムが合衆国、フランス、ドイツで試験されているということだ。数年のうちに、FBI関係者によって拘束されたチンケな情報提供者によって与えられた描写が、あなたの顔の特徴によく一致しているとコンピューター・プログラムが結論を出した、というだけの理由で、朝5時にFBI SWATチームがあなたの家の扉を蹴破ってくるということも想定できるのである。
 官僚のためのその他のグッズ。官僚とその追従者たちは、よく仕組まれた監視・抑圧道具のツールキットから選ぶことができる。ナイトヴィジョン・システム。完全な闇でも人間の熱の痕跡を認識・追跡。ヘリコプター・ベースの望遠監視。衣服を透かして見ることのできる不活性ミリメートル波――これは空港での飛行前遮蔽場所に新しい次元をもたらす。
 今日の世界では、電子的小道具は、電灯、電話セット、電話、時計、ケーブルテレビ・デコーダー、ゴキブリにすら化ける。多部屋監視システムは警察にも政府治安機関にもなじみ深いものとなっている。そして、低強度電子パルス・ツールは、あなたの思考を一時的に混乱させ、錯乱させるために使えるのである。
 数多くの会社が現在、ある地域でのすべての携帯電話会話を盗聴できる改造ノートブック・コンピューターを販売している。そのソフトはWindows95と互換である。メニューを下にスクロールして、あなたの聞きたい番号をクリックすれば、それでいいのだ。


傍受ネットワーク……
 このシステムの範囲は驚くほどである。たとえば、すべての電子メール、電話、ファクス通信は、ヨーロッパ、合衆国、中南米、カナダ、メキシコで、NSAによって定期的に傍受されている。
 プロジェクト・エケロン(Echelon) は、インテルサット衛星システムや、世界の長距離電話、インターネット通信、電子メール送信、ファクス、テレックスに侵入するものである。これは10億ドルの諜報収集ネットワークである。これはNSAが、反対者から国際銀行の活動に至るまですべてを監視するために使っている。データ処理サイトはYakima(合衆国)、Wailhopai(ニュージーランド)、Geralton(オーストラリア)、香港、Morwenstow(英国)にある。カナダやドイツのような他の国々もデータ収集計画の重要な参加者である。
 プロジェクト・エケロン内の口笛吹き(Whistleblowers)は、違法行為や過失などの広範囲の濫用を要求している。アムネスティ・インターナショナルですら、スパイによって定期的に監視されているのである。
 さらに、ヨーロッパ連合(EU)はそれ自身の巨大な盗聴ネットワークを構築しようとしている。


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Spy & CounterSpy

行動への呼びかけ……どうすればいいのか
 繰り返しておこう。それは、この記事の最初に述べるにふさわしいほど重要なものであった――そして、それは繰り返すにふさわしいほど重要である。
 あなたは何かを失おうとしている。それはすでにあなたの手からこぼれ落ちつつある。そして、一度失ったら、二度と取り戻せないだろう。
 一国民として、わたしたちは記録された歴史において最も深刻な人間性に対する脅威に直面している――世界中の各政府によって、伝統的な自由が体系的に取り除かれつつある。そして、それはすべての政府においてそうなのだ。
 それは、わたしたち人類そのものをほとんど一掃するところだった中世の伝染病よりもさらに深刻な状況だ。それは、人類数万年の歴史の中でかつて見られなかった脅威である。
  あなたは政府の所有物になりつつあるのだ。
 行動への呼びかけ――どうすればいいのか。 100年前、プライバシーは当然のものと思われていた。あなたのプライバシーを侵害するために、当局は時間と努力を費やした。
 今日、状況は逆転している。監視が当たり前である。政治的統制技術は、当局があなたを監視することを非常に容易なものとした。あなたを放っておいてもらう権利を認めさせるためには、努力をしなければならない。今日の世界では、あなたはプライバシー権を獲得しようとしなければならない。何もしなければ、あなたは自分のプライバシーを喪失する――そしてあなたの人生が公衆の面前にさらされる。どの官僚もあなたを監視できる。
 あなたは何をできるのか? 本当に進行していることに気づけ。静かに抵抗せよ。あなた自身のやり方で、政府が試している非人道的政治的統制に対抗して行動せよ。
対監視技能を学べ。あなたに残された自由を守れ。活動家戦術を学び、もし必要があるなら地下に潜伏せよ。しかし、すぐに行動せよ。長時間待てば遅すぎるかもしれない。わたしたちのホームページに戻って、対監視と地下活動家戦術についての情報についてさらなる資料を手に入れよ。


次回予告……
官僚のツールキットの第2部の予告。官僚のツールキットの次回は、大衆コントロール技術と個人コントロール技術について暴露する。
人類の苦痛――新群衆統制兵器。あなたは――化学兵器、運動兵器、電子兵器同様に――新しい麻痺兵器、ゴム弾、プラスチック弾、お手玉発射装置について学ぶ。あなたは、SWATチームが潜んでいる偽救急車型特別注文自動車、また帯電パネルのような能力を備えた大衆コントロール自動車についても見ることになろう。これらの乗り物がどのようにして外に漏れないよう内部に隠されているかについても示す。また、警察のダムダム弾があなたの腕や足を切断する方法についても知る。これは、応急処置をしなければ、超法規的な処刑に該当する。あなたは痕跡を残さない拷問方法についても学ぶだろう――当局はもはや、アムネスティ・インターナショナルからの問題を突きつけられることを恐れていない――あなたが拷問されたということを証明できなくなっているからだ。
 人の貯蔵――新しい囚人コントロール技術。職員を技術で置き換えることによってどのように政府が経費削減することを計画しているかもわかる。社会復帰ではなく、人間貯蔵の戦略の社会的な意味合いについても示す。殺人フェンシング、致命的地域拒否システム、電子的抑制技術。秘密産業がどれほど深く関与しているか――感電死システムは5万ドルで売られている――絞首台は8万5000ドルで売れる――そしてあなたは致死的噴射装置のついた可動式実行用乗り物を、ほんの10万ドルで作り上げることもできるのだ。また、囚人をコントロールするために向精神薬がどのように使われているかも学ぶだろう。超法規的強制執行の遂行を容易にするレーザー・サイトと消音器――また発砲部隊を統制する押しボタン式コントロールを提供する同時点火システムについても学ぶだろう。


ここからどこに行くのか?
 監視が制限されない今日の世界において成功する鍵は、二つある――知識と技能だ。第一に、あなたはあなたの敵の能力についての知識が必要である。第二に、あなたは対監視行動における技能を必要とする。あなたはSpy & CounterSpyを読むことでその双方を得ることができる。実際、それがあなたの得る唯一の方法なのである。


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