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世界のテロ組織と対テロ組織
Terrorist & Counter-Terrorism

 

公安調査庁 『国際テロリズム要覧』 1993

 
第1章 国際テロリズムについて

 国際テロリズムの定義については、その態様が多様化、複雑化していることもあって国際法上の統一した定義づけかないのが現状であるが、ここでは、国際テロリズム研究で先進的な米国種務省のほか、イスラエルのジャッフィ戦略研究所等国際研究諸機関の定義を参考にその共通項的部分を取り出し、根本部分であるテロリズムを定義したのち、その派生部分を定義する方法をとった。

 

1 テロリズムの定義

「テロリズムとは、国家の秘密工作員または国家以外の結社、グループがその政治目的の遂行上、当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対してもその影響力を及ぼすべく非戦闘員またはこれに準ずる目標(注)に対して計画的に行なった不法な暴力の行使をいう。」

    (注)非戦闘員またはこれに準ずる目標とは、一般市民(一般民間人のほか丸腰または非番の警察、軍関孫者も含む)のほか、人間以外の資産、建造物等も含むものと解される。

それは、

(1) あくまで政治的目的を持ったものであり、単なる暴力行為とは異なる。ここでいう政治目的とは、<1>王権の獲得、<2>政権の奪取、<3>政治的・外交的優位の確立、<4>政権のかく乱・破壊、<5>報復、<6>通常戦争の補完・代替・補助、<7>逮捕、収監された構成員の釈放及び救出、<8>活動資金の獲得、<9>自己宣伝等を指し、一般犯非者と異なり、テロリストは、その政治的要求を当局に対して行う。

(2) 組織的、集団的、計画的に行なわれるものである。

(3) 戦術(戦略を補充する戦略の中の特殊、限定的なルールで当面の月標を達成するために採られる方策)としての闘争方法であり、暗殺、殺害、自由束縛等人身に対する危害などの過酷な手段で敵対者を威嚇し、恐怖心を呼び起こして相手方を譲歩させるとか、反対を抑圧、弾圧することを目的とする「心理的効果」をねらったものである。

また、

(4)個人が行なう場合でも、一定の政治的・社会的背景(組織または思想)を持っていれば「個人的テロリズム」と呼ぶこともあり、

(5)「個人的テロリズム」に対して政府または革命団体によって行なわれるテロリズムを「集団的テロリズム」という。

(6)「集団的テロリズム」のうち支配体制側が反対側を抑圧、弾圧する場合に行使する暴力を「白色テロリズム」(反動的テロリズム)という。この代表例としては、テルミドール反動、パリ・コミューン敗北後のヴェルサイユ派による粛清が挙げられる。

(7)「白色テロリズム」に対して反体制側がとる暴力行為を「赤色テロリズム」(革命的テロリズム)という。この代表例としては、フランス革命におけるジャコバン恐怖政治が挙げられる。

(8)「赤色テロリズム」は大衆的武装闘争、武装パルチザン闘争、武装蜂起、反革命勢力に対する弾圧といった形態をとり、主体は、革命期における人民大衆(革命的人民)である。マルクス・レーニン主義の立場では、階級闘争が激化する社会的変革期においては、いずれかの階級からテロリズムが行なわれるという見方をとっており、政治闘争の方法としての個人的テロリズムは否定するが赤色テロリズムは否定していない。

 

2 テロリズムと類似する諸現象

(1)内乱
 日本国刑法第77条によると「内乱」とは、朝憲紊乱を目的として暴動をなすことをいう。朝憲紊乱とは日本国憲法に定められている政治的基本組織を不法に破壊することをいう。したがって、内乱状態とは同上内容の社会状態を指す。

(2)内戦
 国内の対立した勢力が相互に闘う、国内での武力による闘争で、内乱が戦闘の形態となった状態をいう。内乱と内戦は同義語に使用する場合が多く、純然とした区別は難しいが、一般にいう暴動の範囲のものを内乱とし、これが武力闘争に発展した状態を内戦として区別している例もある。

(3)ゲリラ戦
 敵が保持・支配する地域で、住民等が主勢力を占める集団が、通常劣悪な装備をもって、奇襲、待ち伏せ等を行う戦闘形態、または戦争形態をいう。

 ゲリラの語源は、1805年5月に始まるナポレオン占領下のスペインの国民抵抗の史実にあり、当時guerrillaという用語が流行し、それが英語に転化したと言われる。スペイン語ではゲリラ隊(guerraは戦いの意)を意味し、英語(英国陸軍)ではSmalI Warfareと翻訳している。

 ゲリラ理論の現代的源流は、毛沢東であり、ポー・グェン・ザップ、ナスチオン、エルネスト・チェ・ゲバラ(注)等がゲリラ戦理論を展開しているが、ゲリラ戦は、政府軍の軍事力のせん滅、もしくは消耗を図るためのヒット・エンド・ラン的な戦闘行動であり、敵を撃滅することはできないため、これを正規の戦闘原則の支配する正規戦に発展させる必要を説いている。

 ゲリラ部隊は、あくまで貧弱で不十分な装備しか持たない反政府武装勢力を意味し、同様な奇襲攻撃を専らとする政府軍のコマンド部隊とは性格を異にする。

 テロとの違いとしてゲリラは、
<1> 戦争のしきたりに従って戦うものであること
<2> 軍事的な正規軍に対する補助的なものであること
<3> 非戦闘員には手出ししないこと
が挙げられる。

 技術的側面からは、
<1> ゲリラは、テリトリーの支配を第一に考えるのに対し、テロリストは、相手への心理的効果を第一に考えること
<2> 戦闘行動に携わる人間の数がテロリストは、小人数(最大でも15〜20人)であるのに対し、ゲリラは、中小隊等部隊単位で行動すること
<3> 使用する武器がゲリラは貧弱、劣悪なのに対し、テロリストは、創意工夫に富み、ハイテク化した武器、爆弾等を使用するため、戦術の展開もバラエティーに富んだものとなること
が挙げられる。

    (注)ゲバラの所説ではゲリラ戦術の特徴を<1>機動性、<2>意外性、<3>柔軟性にあるとし、ゲリラ隊の攻撃について基本的には<1>奇襲攻撃、<2>サボタージュ、<3>テロリズムの形をとるとして、テロをゲリラ攻撃の中の一形態として扱っている。

 なお、このほかに革命とテロリズムの関係としてテロは、象徴的機能を第一菱とする非常手段で主として革命の初期の段階に使用されるものであるが、革命過程の各局面に対応して逐次行使されることに特徴があり、どの局面にいずれの暴力がふさわしいかは革命によって異なるが一般的には、<1>革命準備段階の局面(暴力以前の段階で秘密に計画を進める局面)、<2>最初の暴力の段階(テロ〈とりわけ大衆の支持獲得のための政治宣伝目的の扇動テロ〉を採用する段階)、<3>拡大の段階(最初の暴力の段階が終わり、革命勢力と政府勢力との力のバランスが揺れ動きながら前者の勢力が増大する中でテロ活動よりゲリラ戦が主要な戦術となる段階)、<4>勝利へ向かう段階(革命側と政府側の力のバランスが崩れ、革命側が有利となった状況で通常戦の戦術が練られ、実行される段階で、革命側も政府側も共にテロが有効な闘争手段として残る段階)、<5>最終の段階(革命側が勝利し、政治支配体制を固める局面で合法的手段によっては革命権力を制度化できない場合、革命政権に対する反政府ゲリラ活動を抑えるために執行的テロを行う可能性がある段階)の各段階を通じ、革命戦術の中でのゲリラ戦とテロ活動との関係が密接であることを説くものもある。

 

3 国際テロリズムの定義

 「国際テロリズムとは、2か国以上の市民または地域の絡んだテロリズムをいう。」

(1) 本質的には、ある一因に本拠を置きながら、他の国で作戦行動を行うグループの活動をいい、外国に対して国家の指示の下に行なわれるテロリズムから種々のテロ組織相互間の協力関係に至るまで、現代の世界で起こるいろいろな事柄を意味する。

(2) テロリズムは次の場合に「国際的」となる。
<1> 外国人または外国の目標に向かう場合
<2> 一国以外の政府または党派と提携する場合
<3> 外因政府の政策への影響をねらう場合

 

4 国家テロリズムの定義

 「国家テロリズムとは、主権国家自体が政治目的の遂行の上から、敵対する相手に対して行なうテロリズムである。」

 戦争との相違点は、「戦争においては戦時国際法の遵守が必要とされるが、テロリズムはこれと無関係に行なわれる」ことにある。

 たとえば、
<1> 開戦に当たっては宣戦布告が事前になされねばならないが、テロリズムの場合はこのようなことはない。
<2> 捕虜の扱いについては、戦争の場合は国際協定で捕虜の生命・身体の安全が保障されなければならないが、テロリズムの場合は、相手側に逮捕された場合当該国の国内法で処断されても仕方ない。
<3> 暴力行為の形態も戦争の場合は領土の占領・割譲などが行なわれ、和平交渉の中で国際協定化されるが、テロリズムの場合はそのようなことはなく、いわゆる「影の戦争」として当面相手への損害・打撃だけを目的としている。

    * 最近の国家テロリズムの代表例としては、1983年10月の北朝鮮秘密工作員によるラングーン爆弾テロ事件、1987年11月の北朝群秘密工作員による火韓航空機858便爆破事件、1988年12月のりビア情報機関員による米パンナム機103便爆破事件、1989年9月のりビア情報機関員による仏UTA機772便爆破事件、1992年2月のイスラエル軍機による「ヒズボラ」幹部爆殺事件なとが挙げられる。
 

5 国家支援テロリズムの定義

 「国家支援テロリズムとは、国内的な政府当局によるテロ行為とは区別して、ある国家によって扇動及びコントロールされ、あるいは少なくとも影響及び支持された国際テロ行為であって、他国内の目標に矛先を向けたものを指す。」

 ここで、影響及び支持とは、テロ活動が自国の利益となる場合の犯人グループに対する武器、爆発物、訓練、交通手段、隠れ家といった物的援助の供与及びイデオロギー上の援護射撃等を指す。

    * 現在テロ支援国家とされているのは、イラン、イラク、リビア、シリア、キューバ、北朝鮮の6か国である(イエメンについては1989年まではリストに入っていたが1990年からは削除されている。1992年米国国務省発表のテロリズムに関する報告書 <PATTERNS OF GLOBAL TERRORISM 1991> による。)
    * 参考文献: PATTERNS OF GLOBAL TERRORISM 1991(米国国務省)
    : 現代政治学叢書4「革命」中野実著(東京大学出版会)
 

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