●GSG-9 連邦国境警備隊第9対テロ部隊
Bundesgrenzschutz Greszschutzgruppe
●設置
1972年9月、「黒い9月」によるイスラエル人オリンピック選手暗殺を契機に、連邦内務省長官ハンス・デートリッヒ・ゲンシャーが連邦国境警備隊(BGS)に対テロ特別部隊編成を許可。
軍事組織として編成。ボン郊外セント・アウグスチンに設置。当初188名。
初代指揮官:ウルリッヒ・ヴェーゲナー
1973年、緑色のベレー帽採用。
●任務
可能であれば捕虜として捕まえることを目指す。
要人警護でも重視されている。
●編成
4個急襲部隊=各42名
指揮部門
5個SET(各約5名)=基本的作戦部隊
支援部隊(HQ=指揮所を含む)
情報部隊
技術部隊
武器部隊
研究装備部隊
整備補給部隊
訓練部隊
ヴァースバーデンの巨大コンピューター「コミッサー」と直結している。コミッサーは世界中のテロ組織の情報を常に追跡。手段・組織・人員・行動情報を収集。
管区BGSヘリコプター航空団の支援も受ける。
●選抜条件
志願を熱望する国境隊員で、体力・精神的に優秀。
最低でも2年半はBGSに好成績で在籍していなければならない。
最初の選抜コース(3日間)――2/3が落第。
心理適正検査、耐久・射撃試験、体力測定、知能・一般常識試験、健康診断
GSG-9士官面接
5ヶ月間の初期訓練段階――10%落第。
射撃、格闘術など、体力訓練と一定の技術訓練。
3カ月間の最終的な訓練単位
SETの割り当て部分としてのチームワークと突入戦術の特殊技能。
●訓練内容
火器訓練――拳銃、狙撃銃、短期間銃。
航空機、列車、船舶、大使館などの実物大模型を使用した戦術的訓練。
航空機模型もある地下射撃場を保有。
敵と近接して武器を奪取する技能
片手射撃、作動不良排除要領、戦術的再装填要領、遮蔽物使用
突入状況下による射撃、各種人質シナリオにおける精密射撃
移動中の車両・ヘリコプター・ロープ効果中の射撃
HALO(ヘイロー=高高度落下低高度開傘)
HAHO(ヘイホー=高高度落下高高度開傘)
パラシュート要領、潜水、破壊工作、爆発物解体処理(EOD)
各種通信、応急手当、ヘリ降下、高速運転、警察科学、法律
週50〜70時間が訓練に費やされる。
1年に2回ほど部隊全員が資格試験。
FBI、デルタフォース、英SAS、仏GIGN、イスラエルのサイェレット・マトカルと交換訓練。
●実績
1977年10月17日 モガディシオ空港ハイジャック事件で成功。
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