HOME > Theory > Guerrilla |
都市ゲリラ・ミニマニュアル(都市ゲリラ教程)
|
情報 |
大衆のなかに独裁に反対する勢力を広汎に結集するにしたがって、都市ゲリラを摘発し撃破しようとする政府の能力は弱まる。反独裁勢力の結集は、われわれの活勒を知られないようにする場合と同様に、警察や政府内部の動静を知る上で非常に重要な役割を果たす。また敵に贋の情報を流して混乱させることもできる。 いかなる場合でも、都市ゲリラに提供される情報は、警察の情報よりも信憑性がある。敵は人民に監視されており、誰が都市ゲリラに通報したか知るよしもない。軍や警察は、人民に加える不正と暴力のために嫌われており、そのため政府の手先から誤まった情報を入手しがちである。 たとえ狭い地域であっても、人民に支援された情報は都市ゲリラの突際以上の勢力を示すことになる。組織的に提供された情報は欠くことができない。都市ゲリラは、敵の居場所、移動の方法、包囲網の手段、通信方法、秘密移動などの敵の計画や動静に関するたしかな情報を持たねばならない。 信憑性の高い情報は、軍部独裁に対する効果的な攻撃を可能にする。重要な機密漏洩があれば、敵は自らを防衛のしようがない。 敵もわれわれの足どりを知りたがっており、われわれを撃破し、活動を妨げようと狙っている。この意味において密告の危険性はつねに存在しており、敵は密告を煽り、組織内にスパイを潜入させようとする。このような敵の戦術に対処する都市ゲリラの技術は、裏切り者、スパイ、通報者、挑発者を公然と摘発することである。 政府は残忍で、腐敗し、無能であるために大衆に不評であるが、われわれの闘いは大衆の間から巻き起こり、大衆に依拠したものである。 したがって人民の敵としてやってきた密告者、スパイ、裏切り者、警官は一人の受持もなく、都市ゲリラに摘発され、それ相当に処刑される。 スパイや通報者の犯した罪からすれば、いったんそれが誰かわかれば、物理的に抹殺する義務を回避してはならない。これは確実な方法であり、人民の支持を受け、かつスパイや潜入者を最小限にくいとめることができる。 スパイや通報者との闘いに完全に勝利しようとするなら、逆スパイ、逆情報網を組織することが肝心である。しかし、情報に関するかぎり、敵の動静探知とスパイの潜入防止とを切り離すこととはできない。すなわち、情報網を拡げねばならないし、些細なことにいたるまであらゆることを利用しなければならない。それには情報収集の技術が要るので、都市ゲリラはそれに習熟せねばならない。この技術に習熟すれば大衆の生活に溶け込んで情報を自然に手に入れることができる。 大衆のなかで生活し活動する都市ゲリラは、あらゆる会話や人間関係に注意し、巧妙な技術と判断で自分の政治的立場を隠すことに習熱せねばならない。 大衆が働き、生活しているところでは、あらゆる種類の情報、給料、仕事、各種の計画、意見、大衆の精神状態、旅行、建物、事務所、室内、基地の内部等々の情報を収集することはたやすいことである。 地理に関する観衆、調査、下検分、踏査は有効な情報源になる。したがって都市ゲリラはどこへ行くにも慢然としていたり、革命的警戒心を怠ってはならず、つねに何か起こらぬかと注意していなければならない。目や耳を十分に開き、感覚を敏感にし、たえまない武装闘争のために必要なことは、時を問わずなんでも頭に刻み込まねばならない。 活字を読む時はマスコミの出版物、多くのデータをもとにした研究論文ニュース、各種の記事などに注意せねばならない。これらは錯綜した莫大な情報の問題を解決するにあたって都市ゲリラに決定的に利益となる材料になる。 |
HOME > Theory > Guerrilla |
都市ゲリラ・ミニマニュアル はじめに|定義|資質|生きのびるか|技術上の準備|武器|射撃|戦闘グループ|兵站|技術|技術の特徴|緒戦の優位|奇襲|地理|機動性とスピード|情報|決断|目的 行動様式と性格|襲撃|銀行襲撃|奇襲と潜入|占拠|待ち伏せ|市街戦術|ストライキと作業放棄|脱走、武器・弾薬・爆薬の強奪・奪取・流用|囚人の解放|処刑|誘拐|破壊工作|テロリズム|武装宣伝|神経戦|戦闘を行なう|分析|負傷者|ゲリラの安全|七つの大罪|大衆の支持|都市ゲリラ戦争はゲリラの学校である |