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都市ゲリラ・ミニマニュアル(都市ゲリラ教程)
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都市ゲリラ戦争はゲリラの学校である |
革命は人間、武器、物資に依拠した社会現象である。武器と物資は国内で調達できるが、調達には人間を必要とする。人間なしには、武器や物資はなんの役にも立たない。したがってその人間は、次の二つの基礎的かつ不可欠な資質をもたねばならない。
政治的・革命的動機をもつ人間は、軍部独裁とアメリカ合衆国の帝国主義支配者の下で働いている広汎な知的部分から得ることができる。 そのような人間は、毎日のごとく都市ゲリラ戦争に参加している。そのために、反動家どもは革命家に敵対していた部下が自分に反抗するようになるのを不愉快な気持で耐えていることを公けにしなくなった。 都市・農村ゲリラ戦争で鍛えられ、経験を積んだ人間がブラジル革命の基礎を作り上げる。これを基礎に民族解放軍を形成し、ゲリラ戦争を巻き起こすのである。 この中核は、組織内にはびこる官僚主義者、御都合主義者、お喋り屋や印刷屋ではなく、ただ闘う人間であるということである。すなわち、始めから決意し、覚悟をきめており、たった一人でも革命行動に参加でき、優柔不断で裏切ったりしない者たちである。 これは、長期的な見通しにもとづいた、教義にとらわれない規律ある中核である。そして長期的な戦略・戦術の構想は、ブラジルの特殊な状況に合ったものに、マルクス・レーニン主義、ゲバラ―カストロ路線を応用する。これがゲリラを通じての叛乱の核となるものである。 そして、政治・軍事の発展するなかで、男も女も一個の人間として参加し、革命が勝利した後の新しいブラジルの社会建設の指導者となっていくのである。 今のところ都市ゲリラに選ばれる男女は労働者であるが、都市が労働力として吸収した農民たちは、ゲリラの政治性と技術を身につけて、教義にとらわれていない農村地帯へと戻っていくのである。学生・インテリ・牧師も同様である。この労働者・農民、学生・イソテリ・牧師の武装闘争による結合は、都市ゲリラ戦争の開始によって生み出された成果である。 労働者は、産業について無限の知識があり、都市での革命的任務にもっとも優れている。都市ゲリラ労働者は武器を作り、破壊工作やダイナマイトなどを準備しながら闘争に参加している。そして一人で武器をとって行動したり、工場、職場、その他の労働施設で暴力的大衆ストや部分的麻痺状態をつくり出す組織に参加している。 農民たちは、土地に対する知識や敵と直面したときの判斬の際に特別な直感力を持っている。そして、ひかえめな大衆とのコミュニケーションに不可欠な能力をもっている。農民ゲリラはすでにわれわれの鮮烈に参加しており、ゲリラの中核や農村の兵站部を形成している。つまり、個々人のための武器・弾薬の隠し場所を確保し、ゲリラ戦に消費される穀物の生産と供給を行ない、運搬地点、家畜の集散地、肉の供給源、農村ゲリラのガイドの訓練、そして農村部の連絡網をつくり出している。 学生たちは、政治的には未熟で粗雑だが、そのため一切のタブーを打破できる。彼らが、広汎な規模で拡がりつつある都市ゲリラに統合されれば、革命的暴力に特別な才能を発揮し、すぐに高い水準の政治的・軍事的・技術的手腕を獲得する。学生は独裁者によって学校から停学処分を受け、放逐されているので、その自由な時間を有効に使い始めるであろう。 知識人たちは、専制政治、社会の悪徳、軍事的傀儡の独裁の非人間的行為に反対する抵抗の前衛を形成する。彼らは革命の呼びかけを拡め、人民に対して大きな影響力をもっている。都市ゲリラの知識人、芸術家たちは、もっとも現代的なプラジル革命の支持者の典型である。 教会の人々――牧師、宣教師、さまざまな階層と宗派の人々は、人民、特に労働者・農民・村人たちとのコミュニケーションに絶大な能力を発揮する。都市ゲリラの宣教師はブラジル革命の推進力の積極的な構成部分であり、北アメリカ帝国主義者と軍部に対する闘いの力強い武器となる。 ブラジルの女性は、都市ゲリラ戦争において、戦闘的精神と頑強さに一目おかれている。それは偶然ではなく、きわめて多くの女性が銀行、記録保管所、軍事基地、その他に対するゲリラ活動に参加して告訴されたり、警察に指名手配されたり、あるいは監獄につながれているからである。 都市ゲリラ戦争は、ゲリラの学枚として戦闘、物資の調達、連絡員、運転手、船乗り、飛行士、秘密情報の収集、宣伝、教育等々すべてにわたって、男女を問わず、同等の責任と能力を要求し、与えるものである。 |
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