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オサマ・ビン・ラディン情報

Osama (Usama) bin Ladin(Laden)
 

英国オブザーバー紙の記事より。

 

●豊富な標的であるミサイル

ByJohn Ryle
1998年8月24日月曜日

ジャララバード(Jallalabad)は、昔、アフガン王の冬の首都であり、カイバル峠を超えてすぐの雪を抱いた山々の輪に囲まれた肥沃な盆地にある。そこには、それほど多くのものはない。空港、銃痕のある宮殿、今にも崩れそうなバザール、赤十字によって復元された病院がある。それは、そこにあるテロリスト訓練キャンプへの先週の合衆国ミサイル攻撃後、疑いなく、もっともののない場所になっている。

しかし、市と周辺の村の住人は、あいにく、爆弾攻撃には慣れている。1970年代から1980年代、CIAとソ連軍によってこの国にもたらされた武器資材のおかげで、そして現在、パキスタン政府によってさらに多く供給されているおかげで。政府は、国境地帯を――そしてアフガニスタンの残りの多くの地域を――現在管理しているイスラム原理主義運動タリバーンの後援者である。

アメリカの急襲は、このような土地の住人にとってどういう意味があるのか?そして、アメリカのもう一つのターゲットであるハルツームの住人にはどういう意味があるのか? 私がそこにいたのは数年前だが、私(ジョン・ライル)も危険にさらされていたかもしれない。

ジャララバードの村民にとって、目先のミサイルの脅威よりも、常にある地雷の危険のほうが優っている。病院は傷ついた子供たちでいっぱいだ。新しいアメリカの侵略は、国際的な見地からいえば驚くべき問題かもしれないが、村民にとっては苦悩の種が一つ増えただけのことだ。

アフリカの、もう一方の標的であるハルツーム北部は、違った種類の場所である。スーダンはアフガニスタンとほとんど同じくらい戦争をしていたが、戦争は直接は首都に及んだことがない。軍事クーデターはあったが、路上の戦いや都市テロの目立ったエピソードはなかった――治安当局によって実行された国家テロを除いて。政府の飛行機による南スーダンの反乱地域への空爆は定期的なものだが、ハルツームへの直接攻撃は未曾有のことである。

ハルツームとその双子の都市オンドルマンでは、戦争の効果とその結果の経済低下は、所在を失った人たちが東部・西部から莫大な流入をしていることに劇的に示されている。その多くは、ハルツーム北部にさまよっているのだ。一時期、ハルツームで最大の浮浪者キャンプはヒラト・クシャ(Hillat Kusha、ゴミの場所)、先週ミサイルで狙われた工場に近い産業廃棄場である。このような場所の収入源としては、イスラム政権によって禁止された伝統的行為であるアルコール醸造である。ほとんどの南部人はイスラム教徒ではないが、ビールを醸造することで起訴された者は、シャリア法による十分な刑罰が与えられてきた――痛罵と投獄である。

近年、治安手段として、スーダン政府はハルツームの周囲に、これらの南部出身者の多くを強制的に再配置した。それは、戦争の恐ろしい人的コストの印としてはみえない。これは、不注意にも、標的エリアから取り除いたということにもなる。アメリカの攻撃はハルツームのに、北部人にも南部人にも同様に家をもたらし、この戦争に対する国際的興味を大きなものとした。しかし、この攻撃は何かいい結果があっただろうか? スーダン政府は確かに明らかにされない苦しみをその国民に確かに与えた。数十万人が戦争に使用された無情な戦術の結果として死んだ。(スーダンに本拠を置くテログループともっともらしく結びつけられている)ニューヨークの世界貿易センター爆破以来、合衆国は間接的にこの政府と戦っている。それは、南部反乱を支援し、北部反対派を支援することによってである。しかし、先週木曜の攻撃のように、これらのグループへのアメリカの支援は、あきらかに合衆国の国家的プライドではなく、スーダン国民の幸福に絡んでいるものでなければならない。

合衆国は、スーダンが大使館爆破に関与したとすら述べていない。攻撃の正当化は、標的となった工場が一連の化学兵器製造の一部だったという、証明されていない主張による。そして、分離されたミサイル攻撃は、スーダン政府を弱めるのにほとんど役に立たない。むしろ、強化するだろう。このような攻撃は、反アメリカの愛国主義者の手の内でもてあそばれ、どんな利益もない。

アフガン・キャンプは存在した(合衆国政府がムジャヘディンを支援したときにその多くが作られたのだから、政府はそれを知っている)。そしてオサマ・ビン・ラディンは間違いなくテロリズムに関与している。しかし、ハルツームの攻撃の場合、彼が標的となった工場の部分的な所有者である可能性があるとしても、彼自身はこの国を2年前に追放されており、長い間のウワサだったが今は証明困難な化学兵器告発にしか、攻撃の正当化の余地はない。

ワシントンに本部のある人権監視団体からのレポートが先週確認したように、この地域の至急の武器統制問題は、小さな武器の拡散であり、それは合衆国が他の国々に責任を有していることである。スーダンでは、アフガニスタン同様、平和をもたらすよう行動していると主張できるのは、合衆国政府の政策が武器の流れを減らす方向に向かい、また敵対勢力に政治的解決を模索するように強要する方向に向かっているときのみである。

 

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