ENN Daily Intelligence Report -02/21/97-Vol.3, No.052より。
●サウジの反対者、原理主義支援者がアメリカを脅迫……
By Amy Grant, ENN Correspondent
シカゴ(ENN)――英国テレビドキュメンタリー番組「特派(Dispatches)」とロイター通信社によれば、国外追放された反対者でイスラム原理主義テロへの財政家であるオサマ・ビン・ラディン(Osama
Bin Laden)が、サウジアラビアの合衆国軍を脅迫したという。アフガニスタンからのテレビインタビューで、ビン・ラディンは、ダーランのホバル・タワー(Khobar
Towers)高層住宅の1996年の攻撃と、1995年11月のリヤド予備部隊への攻撃は、「ワシントンへの警告」として実行されたと述べた。ビン・ラディンは、すべてのアメリカならびに同盟国の軍隊が直ちにサウジアラビアから撤退しない限り、合衆国将校へのさらなる攻撃で脅かし続けるつもりである。
ERRI分析家はこう述べる。ビン・ラディンは同様の警告を1996年の終わりごろに発し、合衆国軍がラマダンのイスラム神聖月の終わりまでに撤退しないなら攻撃を起こすと脅迫していたが、それは起こらなかった。今回のインタビューは、ビン・ラディンがそれを実行するという脅しを発表したものであると考える専門家もいる。
「もしビン・ラディンが公的に『攻撃がある』と述べるなら、私は、合衆国軍はその脅しをまじめに受け取るべきであると言いたいのです」と、シカゴの危機管理対応研究所のクラーク・シュターテン(Clark
Staten)重役は述べる。シュターテンは、12年以上テロ問題を研究・分析・報告してきた人物だが、ビン・ラディンは、対テロ集団のあいだでは有名な「非常に危険な宗教的熱狂者」であり、おそらく中東とアジアの一部におけるテロリズムの最重要独立支援者であろうと述べる。
「ビン・ラディンによる最新の脅迫は、イランまたはシリアがダーラン兵舎爆撃に関与しているという合衆国の告発を混乱させる目的があるかもしれません」「これらの行動に責任があると実際に認めることによって、ビン・ラディンは
近々、近い将来にありえるアメリカの報復行動を不明瞭にすることができる、あるいはまた出し抜くことができると感じているのかもしれません」とシュターテンは付け加えた。
シュターテンによると、ビン・ラディンのようなテロ財政家は最近の傾向である「無国籍戦闘」の一部であろうともいう。この戦闘においては、イラン、イラク、シリア、リビア、スーダンその他の特定できる国家の反乱目標と方針は、「否定できる」政治的宗教的熱狂者の専門的合同チームによって遂行される。これらのテロリストは、テロ行為実行後、簡単にシンパ国家の民間人に溶け込み、合衆国やその同盟国が追跡したり、事実上残虐行為を「合法的」に許可・後援した国家に対する行動をとったりすることをほとんど不可能にするのである。
シュターテンによると、ダーラン爆破その他の最近のテロ行為におけるFBI捜査が直面したような困難は、この傾向の結果として生じている状況で説明できるとい。これはまた、最近のテロ事件のいくつかで、どのグループも犯行声明を出していない理由でもあるという。「攻撃の前にそれとわかる集団/グループはありませんし、攻撃のあとにそれとわかる集団/グループもありません……彼らは、計画と作戦行動のあいだに区別できる組織としてしか存在しないのです」とシュターテンは述べる。「このため、検出・防止・気遣いが難しくなっています……そして、犠牲となった国家が『戦争行為』と考えられるものに合法的に報復を行なう公的能力を制限してしまいます」とシュターテンは締めくくった。
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