世界のテロ組織と対テロ組織
Terrorist & Counter-Terrorism

オサマ・ビン・ラディン情報

英国オブザーバー紙の記事より。

●VXガスとは何か

By Kieran O'Keefe
1998年８月25日火曜日

先週、ハルツームで合衆国トマホーク巡航ミサイルに攻撃されたシファ製薬工場でその原料が作られていたといわれている神経ガスVXは、急激に殺す兵器である。

それは、酸素と接触すると同時に気体に変わる無色無臭の液体である。それは中枢神経系に沿って信号の伝達を妨げ、痙攣と呼吸麻痺を起こす。それは即効性である。

VXは発見不能で、空中・水中で素早く広がることができる。それは持続的な媒介物として知られているもの――つまり、数週間にわたって致死的であり続け、その地域を閉鎖させることになる。

このガスは、1949年に英国の科学者によって開発され、1961年に合衆国軍に兵器として採用された。製造は1967年に公式に中止されたが、合衆国は1170トンのガスをインディアナ州ニューポート武器庫のスチールの大桶に保管している。

中央情報局（CIA）はVXガスの毒性をこのように表現している。「10ミリグラムを肌に落とすだけで、平均的な成人男性を殺す。１ガロン（約４リットル）のVXは36万2000人分の致死量に相当する。定義として、VXがこの量で等しく適用されれば、50％（18万1000人）が結果として死亡し、18万1000人が重態となるであろう」

合衆国諜報機関は、シファ工場にVXがなかったことを確信している――もしあったとしたら、ミサイル攻撃によって放出されたもののために、ハルツームの住人は壊滅していただろう。

そうではなく、アメリカ人は、シファ工場を攻撃したのはVXの「前身」あるいは原料を作っていたからだ、と言っていた。

しかし、原料がVX製造のためであったと証明する方法は簡単ではない。VXは塩素、５硫化リン、ジイソプロピルアミンの合成で作られる――それは世界中の薬品工場で日常的に製造されている薬品である。

どの化学兵器設備を特定するにもつきまとう問題の一つとして、必要な原料の多くは他の一般的製品に日常的に使われているということである。

最終製造物と貯蔵庫を攻撃することがより適切であろう――ただし、被害が大きすぎる。合衆国空軍が「薬品無効化兵器」をこの任務のために開発できないかどうか、検討しているのはこのためである。

※キーラン・オキーフは軍事学の研究家である。

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